目次
Salesforceは、会社内で顧客データやビジネスプロセスを管理する便利なツールです。しかし、誰でもすべてのデータや機能にアクセスできるわけではなく、適切な権限設定が重要です。この記事では、初心者でも理解できるように、プロファイルと権限セットを使って特定の人に適切な権限を与える方法をわかりやすく説明します。
1. プロファイルと権限セットって何?
1.1 プロファイル(Profiles)とは?
プロファイルは、Salesforceを使う人がどのデータや機能を利用できるかを決める基本ルールです。たとえば、次のようなことを設定します。
- 誰が「顧客リストを見れるか」「商談を作れるか」「データを削除できるか」を決める。
- 「レポートを作る機能」や「アプリを開く権限」を与える。
プロファイルは、その人が「何をできるか」を定めた社員証のようなものです。例えば、営業チームの社員証では「顧客データを見る」「商談を作る」権限があり、サポートチームの社員証では「問い合わせデータを編集できる」権限が付いています。また、プロファイルは社員証のようなものですので、一人に1つのプロファイルしか割り当てることは出来ません。
例:
- 営業チーム用のプロファイル → 顧客データを見て、商談を作成する権限を付与。
- サポートチーム用のプロファイル → 問い合わせデータを編集できる権限を付与。
1.2 権限セット(Permission Sets)とは?
権限セットは、プロファイルに追加の権限を与えるための仕組みです。
プロファイルは1人に1つしか設定できませんが、権限セットは1人に複数割り当てることができます。これにより、特定の人だけに特別な権限を付与したり、プロジェクト期間中だけ一時的な権限を付けたりすることが可能になります。
権限セットは社員証に付け加える「特別なスタンプ」のようなものです。たとえば、営業リーダーの社員証には「割引価格を設定できる」スタンプを追加できます。
例:
- 営業チームの中でも特定の人だけに「割引価格の設定」権限を与える。
- サポートチームのリーダーだけに「データをエクスポート」する権限を与える。
2. プロファイルと権限セットの違い
項目 | プロファイル | 権限セット |
---|---|---|
割り当て数 | ユーザー1人につき1つ | ユーザーに複数割り当て可能 |
設定の役割 | 基本的な権限を設定 | 追加の権限を設定 |
変更の柔軟性 | 一括管理向き | 特定の人や状況に応じた調整が可能 |
使い分け:
- プロファイル: チーム全体に必要な基本権限を設定。
- 権限セット: 特定の人だけに必要な追加権限を付与。
例:
- 営業全員に「顧客データを編集する」権限はプロファイルで設定。
- 営業リーダーに「割引価格を設定する」権限は権限セットで追加。
3. プロファイルを設定する方法
3.1 基本の設定手順
- Salesforceの画面右上のギアマークをクリックして「設定」をクリックします。
- 画面左上のクイック検索に「ユーザー」と入力し、左側のメニューから「プロファイル」をクリックします。
- 「新しいプロファイルを作成」か「標準ユーザー」をコピーします。そして、名前を付けます(例: 営業チーム用)。
- 次のような項目を設定します:
- オブジェクト権限: 顧客データや商談データを「参照」「作成」「編集する」などの操作権限を付与。
- タブの表示: 必要なタブだけを表示(例: 商談タブは営業チームだけに表示)。
- システム権限: 全体の機能(例: レポート作成やデータエクスポート)を許可するかどうかを決定。
3.2 プロファイルを活用するコツ
- チームごとに1つのプロファイルを作ると管理が簡単になります。
- 必要最小限の権限だけを設定し、追加が必要な場合は権限セットを使うと柔軟です。
4. 権限セットを設定する方法
4.1 基本の設定手順
- 画面右上のギアマークをクリックして「設定」をクリック→左上のクイック検索に「権限セット」と入力して「権限セット」選択します。
- 「新規権限セット」をクリックし、名前を付けます(例: 割引設定権限)。
- 次のような項目を設定します:
- オブジェクト権限: 特定のオブジェクト(例: 商談)での操作権限を付与。
- フィールド権限: フィールドごとに「参照」「編集」を設定。
- システム権限: APIアクセスやデータエクスポート権限などを設定。
- 「ユーザーに割り当て」をクリックし、特定のユーザーに権限セットを適用します。
4.2 権限セットを使うと便利な場面
- プロジェクト限定: 一時的に特定のプロジェクトで必要な権限を付与。
- チーム内の特別な役割: 営業リーダーだけが割引価格を設定できるようにする。
5. プロファイルと権限セットを組み合わせる方法
5.1 どんな時に組み合わせるべき?
- 基本の業務権限: プロファイルで設定。
- 営業チームが商談データを編集する権限。
- 特別な役割の権限: 権限セットで追加。
- 営業リーダーが割引価格を設定できる権限。
5.2 実際の設定例
例1: 営業リーダーに割引設定権限を付与
- 営業チーム全体に「営業担当プロファイル」を適用。
- 営業リーダー用に「割引設定権限セット」を作成。
- 営業リーダーのユーザーに「割引設定権限セット」を割り当て。
例2: プロジェクトメンバーに一時的な権限を付与
- 「開発プロジェクト専用プロファイル」を作成し、基本権限を設定。
- プロジェクト期間中だけ必要な機能を「権限セット」で設定。
- プロジェクトが終わったら権限セットを削除。
6. 注意点とヒント
6.1 最小権限の原則
ユーザーには必要最低限の権限だけを付与します。これにより、不正操作や誤ったデータ変更を防ぐことができます。
6.2 定期的な見直し
- プロファイルや権限セットが古くなっていないか定期的に確認しましょう。
- 不要になった権限セットは削除します。
6.3 権限のテスト
新しい権限を設定したら、テストユーザーで実際に動作を確認してください。
7. おわりに
Salesforceのプロファイルと権限セットを上手に使うことで、会社のデータ管理を安全かつ効率的に行うことができます。プロファイルでチーム全体の基本権限を設定し、権限セットで特定の人や状況に応じた特別な権限を追加することで、柔軟性とセキュリティを両立できます。
この仕組みを活用して、あなたの会社のSalesforce環境をさらに使いやすくしてみてください!