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Salesforceの入力規則とは?初心者向け解説と具体例

Salesforceは企業のデータ管理を効率化するツールですが、適切なルールを設けないとデータが不正確になり、ビジネスに影響を与える可能性があります。そのような課題に対処するのが**入力規則(Validation Rules)**です。

入力規則は、データが保存される前にチェックを行い、不適切なデータが登録されるのを防ぐための仕組みです。この記事では、入力規則の基本から活用例までを分かりやすく解説します。Salesforceを初めて触れる方でもイメージできるように、具体的な数式例も交えて説明します。


1. 入力規則とは?

入力規則は、Salesforceのデータ管理で重要な役割を果たします。設定された条件に従わないデータが入力されると、エラーが表示されて保存が阻止されます。これにより、正確で一貫性のあるデータを維持することができます。

例えば:

  • 部活の申し込みフォームで「保護者の同意がないと受付できない」ルールを設定するようなもの。
  • 学校の成績で、得点が100点を超えないように制限をかける仕組み。

Salesforceではこれを入力規則で簡単に実現できます。


2. 入力規則の仕組み

入力規則では、数式を使用して条件を設定します。この条件が「真(True)」になるとエラーが発生し、データが保存されません。ルールは、保存時にSalesforceが自動的にチェックを行います。

基本的な流れ:

  1. ユーザーがデータを入力。
  2. 入力規則で条件をチェック。
  3. 条件に合わない場合、エラーを表示して保存を中止。

3. 入力規則の作り方

  1. オブジェクトを選択する: Salesforceの「設定」メニューから対象のオブジェクト(例:商談、アカウント)を選択します。
  2. 入力規則の新規作成: オブジェクト編集画面の左側に表示される「入力規則」をクリック。画面右上に表示される「新規」ボタンをクリック。
  3. ルール名を設定:半角英数で入力します。
  4. 有効にチェック:デフォルトでチェックが入っています。
  5. 条件を設定: 数式を入力します。
  6. エラーメッセージを設定: ユーザーにわかりやすいエラーメッセージを記載します(例:「電話番号は必須です。」)。
  7. 保存: 入力規則を保存します。

4. よく使われる入力規則の例

4.1 必須項目のチェック

特定の項目が空欄の場合にエラーを表示します。

数式例:

ISBLANK(Phone)

説明:

  • 電話番号(API参照名:Phone)が空欄だとエラーを表示します。
  • エラーメッセージ例:「電話番号を入力してください。」

4.2 日付の整合性チェック

終了日が開始日より前にならないよう制御します。

数式例:

EndDate < StartDate

説明:

  • 終了日(API参照名:EndDate)が開始日(API参照名:StartDate)より前の場合にエラーを表示します。
  • エラーメッセージ例:「終了日は開始日以降に設定してください。」

4.3 数値の範囲チェック

金額が0以下の場合にエラーを表示します。

数式例:

Amount <= 0

説明:

  • 商談の金額(API参照名:Amount)が0以下の場合にエラーを表示します。
  • エラーメッセージ例:「金額は1円以上を入力してください。」

4.4 選択リストの条件チェック

特定の選択肢が選ばれた場合に、別の項目を必須にします。

数式例:

ISPICKVAL(StageName, "Closed Won") && ISBLANK(CloseDate)

説明:

  • ステージ(API参照名:StageName)が「Closed Won」の場合、完了日(API参照名:CloseDate)が必須になります。
  • エラーメッセージ例:「ステージが”Closed Won”の場合、完了日を入力してください。」

補足:

項目API参照名は下記の手順で挿入ができます。わざわざAPI参照名を探しにいく必要はありません。


5. 入力規則を使うメリット

5.1 データ品質の向上

入力規則は、不完全なデータや誤ったデータの登録を防ぐことで、正確なデータを保持します。

例:

  • 電話番号やメールアドレスが必須項目として正しく入力される。
  • 数値項目(例:金額、割引率)の制限で不正なデータを防ぐ。

5.2 業務プロセスの一貫性を確保

特定の条件を満たさないデータが登録されないようにすることで、業務全体の流れをスムーズにします。

例:

  • ステージが「契約成立」なら契約金額が必須。
  • 提案中の商談には提案日を必須にする。

6. 注意点

入力規則を使う際には、以下のポイントに注意してください。

6.1 ルールは最小限に抑える

入力規則を設定しすぎると、ユーザーが操作に混乱する場合があります。ルールを絞り込み、重要なものだけを設定しましょう。

6.2 エラーメッセージを具体的に

エラーメッセージがわかりにくいと、ユーザーは何を修正すれば良いのか分かりません。具体的でわかりやすいメッセージを心がけましょう。

悪い例:
「エラーが発生しました。」
良い例:
「終了日は開始日以降の日付を入力してください。」


7. 入力規則のベストプラクティス

  1. ビジネス要件を明確にする:
    • 業務プロセスに必要な条件を洗い出し、それを入力規則に反映させます。
  2. テストを徹底する:
    • 設定後はテストを行い、実際の操作で問題がないか確認します。
  3. ユーザー目線を意識する:
    • ユーザーが混乱しないよう、条件とエラーメッセージを簡潔に設計します。

8. まとめ

Salesforceの入力規則は、データの正確性を保ちながら業務の効率化をサポートする重要なツールです。数式を使えば、柔軟に条件を設定でき、システム全体のデータ品質向上に貢献します。

この記事で紹介した具体例を参考に、あなたの組織に最適な入力規則を設定し、より良いデータ管理を実現してください!

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プロフィール
●氏名:ARAKAN
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●居住地:九州
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●一言:とある企業でSalesforce管理者として勤務しているARAKANです。業務の中での気づきやTipsを投稿しています。
<保有資格>
・Salesforce認定 アドミニストレーター
・Salesforce認定 上級アドミニストレーター
・Salesforce認定 Sales Cloudコンサルタント
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